オリコ 過払いの結びつき
「毎年1億円の利益」という実物的な側面にはなんら変化がなくとも、不動産の価値は大きく変わるのである。
以上は仮想の数値例だが、現実の数字を見ると、金融機関の貸付約定平均金利(新規。
長期)ファイナンス理論においては、このことを「リスクがある資産の価値評価に当たっては、将来の利益を割り引く際に、安全資産の収益率にリスクプレミアムを上乗せした利率を用いる必要がある」と表現する。
この利率のことを、実務では「キャップレート」と呼んでいる。
ただし、リスクプレミアムをどのように評価すべきか簡単な課題ではない。
ファイナンス理論の核心部分である。
第二に、「低金利は90年代後半から続いていたから、地価はもっと早く上昇してもおかしくなかったのではないか?」という疑問が出されるかもしれない。
そうならなかった理由としては、は、1991年に7.51%であったが、2004年には1.58%になった。
これから単純に計算すれば、地価が4.8倍になってもおかしくはない。
地価がいまになって上がった理由以上については、いくつかの注釈が必要だ。
第一に、この例では毎年1億円の利益は「確実に得られる」とした。
一般に不動産からの収益にはリスクがある。
たとえば、ある年の利益は1億円未満かもしれない。
そうしたリスクに対処するには、毎年の利子支払額が1億円以下である必要がある。
つまり、金利が10%の場合においても、商業施設の価値は10億円よりは低く評価されるわけである。
低金利がもたらした資産市場の歪み現在の日本が異常な低金利状態にあることの含意は、以下に述べるように、きわめて大きい。
先に用いた数値例で考えた商業施設は、20億円で建設できるものとしよう。
100億円で取引されるとすれば、過大評価だ。
こうなるのは、金利が低過ぎるからである。
次のようにも表現できる。
この商業施設の収益率は、本来は5%であるが、借入れの資金調達コストは1%だから、借り入れて購入することが有利になっている。
実務においては、以上のように、「金利が低ければ地価が上がる」という命題の解釈に関しては、注意が必要である。
ただし、重要なのは、「金融情勢と地価を切り離して議論することはできない」ということだ。
したがって、地価が上がったからといって、「日本もようやく資産デフレから脱却して正常な状態になった」と喜ぶことはできないのである。
いくつかのものが考えられる。
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